“鉄鋼製造の未来を拓く”――是永商会が挑む「設計見積もりの完全自動化」とWOGOの先端技術
- Koeru Shin
- Jun 1
- 5 min read
Updated: Aug 5

老舗の鋼材流通・一次加工企業である是永商会(以下、是永商会)は、これまで培ってきた経験やネットワークを強みに、鉄鋼業界の常識を塗り替えるべく新たな一歩を踏み出しています。そのパートナーとして選ばれたのが、先端技術を駆使して製造プロセスを革新するWOGO。両社は「設計見積もりの完全自動化」を実現し、日本の製造業が抱えるボトルネックを解消したいと考えています。
本記事では、是永商会の専務・是永直宏氏へのインタビューをもとに、課題意識から今後の展望までを整理しながら、WOGOと取り組むプロジェクトの全貌をお伝えします。
1.抱えていた課題 〜挑戦の出発点
是永商会はもともと、鉄鋼の流通から事業をスタートし、現在は一次加工を得意とする独自のポジションを築いています。しかしながら、同社がさらに高みを目指すうえで直面したのが、「設計や見積もりといった上流工程の属人化と非効率性」でした。
「私たちが目指しているのは、ものづくりの現場がより“クリエイティブ”になれる世界です。しかし、図面を見て見積もりを算出する工程はどうしても属人的になりやすく、そこに時間と手間がかかる。これを解消しない限り、大きな進化は望めないと感じていました。」
属人的な工程がボトルネックとなり、納期の短縮やコスト削減が進みにくいというジレンマ。これは鉄鋼業界をはじめ、多くの製造現場で共通する深刻な課題と言えます。
2. WOGOの選定基準と決め手 〜最適なパートナーを求めて
こうした課題を解決するため、是永商会は世界中の技術やサービスを模索しました。しかし、期待を超える成果を出せそうなパートナーにはなかなか巡り合えなかったといいます。
「私たちが求めていたのは、単なる外部委託先ではなく“同じ山を登る仲間”でした。これまで海外も含めていろいろ探してみましたが、ビジョンや価値観が合わないケースも多かったですね。そんなときにWOGOさんと出会い、初期の打ち合わせで『ここなら一緒に山を登れるかもしれない』と直感したんです。」
決め手となったのは、「ビジネスモデルとテクノロジーを両輪で考えられる点」と、「ものづくりの世界を根本から変えたい」というビジョンレベルでの共感でした。
3. 導入初期で得た成果 〜スタートダッシュの手応え
プロジェクトはまだキックオフしたばかりで、数字としての結果が出る段階には至っていません。しかし是永氏は、早くもWOGOとの共創から得られる“価値”を感じ始めているといいます。
「私たちとしては、まだ“1合目”を登ったくらいの感覚です。それでも、エンジニアリングやシステム開発の面で細やかに対応してもらい、手応えを感じています。もともとものづくり企業として培ってきたノウハウをどうデジタル化するか、その道筋を一緒に描いてくれる存在は非常に貴重ですね。」
「共感できるパートナーと組むことで、想定以上のスピード感や柔軟性が得られている」というのが現時点での実感だそうです。
4. WOGOと進めるプロジェクト 〜共創のアプローチ
今回のプロジェクトでは、XXXと呼ばれるソリューションを活用し、「鉄鋼製造における設計見積もり工程の完全自動化」を目指します。現場の担当者からヒアリングを行い、熟練技術者の知見や判断基準をデータとして体系化。それらをAIやアルゴリズムに反映させることで、短時間で正確な見積もりや設計仕様を算出できる仕組みを構築していく計画です。
工程の可視化と要件定義:図面情報・加工ノウハウ・コスト構造などを整理
データベース化とアルゴリズム設計:ベテランの勘と経験を数値化・ロジック化
システム開発・段階的導入:まずは設計・見積もり工程から順次実装し、検証を重ねる
これらのステップを「共創」で進めることで、単なるソフトウェア導入に留まらない抜本的な業務プロセス変革を実現していく狙いです。
5. 期待する定量効果とインパクト 〜成功へのシナリオ
実際の数字に関しては、まだこれから具体的なデータが得られる段階ですが、是永商会としては以下のような成果を期待しています。
リードタイム短縮:設計見積もり工程を大幅に自動化することで、納期の厳しい案件にも素早く対応
コスト削減:人手によるミスや重複作業を減らし、生産性を高める
イノベーション創出:属人的だった工程をデジタル化することで、既存の枠組みにとらわれない新しい製造・販売スキームへ発展
「この先、何か想定外の障壁があったとしても、私たちは必ず山を登りきれると思っています。登頂した先には、鉄鋼製造の概念をガラリと変えるような大きなインパクトがあると確信しています。」
6. 未来を見据えた展望 〜業界変革へのロードマップ
最後に、このプロジェクトがもたらす未来像について是永氏はこう展望します。
「鉄鋼に限らず、日本のものづくりはまだまだ伸びしろがあります。私たちは、このプロジェクトを通じて『業界全体のボトルネックを解決し、創造的な製造文化を築く』ことを目指しています。最終的には、設計見積もりに限らず、ありとあらゆる工程をデジタル化し、人が“本当にやりたいこと”に集中できる環境を作りたいですね。」
プロジェクトの成果はこれからが本番ですが、是永商会とWOGOの強力な共創体制によって、鉄鋼製造の当たり前が大きく変わる可能性を秘めています。彼らの挑戦は、同業界のみならず幅広い製造分野に新たな指針を示すものとなるでしょう。
