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DX推進の取組について

Updated on2026/08/26

Index

当社のDX推進の取組について、以下のとおり公表します。

デジタル技術が社会や当社の競争環境に与える影響について

当社が事業領域とする製造業の設計・生産準備工程では、熟練技術者の高齢化と人材不足が急速に進む一方、製図・検図・設計判断といった中核業務が個々の技術者の経験に依存したまま残されています。近年は生成AIや3D計測技術の急速な進展を背景に、大手CADベンダーや海外事業者が設計自動化の領域へ相次いで参入しており、汎用的なAIツールが安価に普及することで、機能の提供のみを価値とする事業は早期に価格競争へ引き込まれるリスクがあると認識しています。当社自身の開発・導入業務もまた、高度な技術知見を個々のエンジニアが抱える構造にあり、この属人性を解消できなければ事業拡大の速度が人員数に縛られるという課題を抱えています。

他方で、製造業の各社には長年にわたり膨大な2D図面・3Dモデル・加工ノウハウが蓄積されながら、その多くが検索も分析もできない状態で埋もれています。これらを3D形状解析とAIによって構造化・分析できるデータへと変えることは、当社にとって大きな事業機会であると同時に、当社自身の開発プロセスを経験依存から脱却させる原動力にもなります。当社は、データとデジタル技術の活用によってこの機会を捉え、単純な機能競争とは異なる土俵で独自の価値を提供できる企業へと自らを変革してまいります。

経営ビジョン

当社は「ものづくりへの熱意とアイディアで日本に活力を」という理念と、「3D & AI Technology to Enhance the Creativity」という指針のもと、ものづくりに携わる人が創造的な仕事に集中できる環境を築くことを目指しています。そのために当社が担うのは、これまで人の頭の中にしか存在しなかった設計・製図・検図の判断基準を、3D形状データと図面データを起点に分析可能なデータへと変換し、再現性のある技術として社会に還元していくことです。

ビジネスモデルの方向性としては、案件ごとの個別対応を積み重ねる受託型から、蓄積した図面・形状データと設計ナレッジの分析結果を核として、繰り返し提供・改善できるAIプラットフォーム型の事業へと軸足を移してまいります。あわせて、当社自身の設計自動化技術の開発工程にもデータ分析を組み込み、データが増えるほど提供価値と開発生産性がともに高まる循環を経営の基盤として確立します。

経営及びデジタル技術等の活用の具体的な方策(戦略)

当社のDX戦略は、データの共有や一元化にとどめることなく、蓄積したデータそのものを分析・予測に活用し、経験や属人的な判断に頼った事業運営からデータに基づく運営へと変革することにあります。

第一に、顧客の設計現場および当社の技術検証を通じて得られる2D図面、3Dモデルの幾何形状データ、加工可否や不備指摘の判定履歴を構造化して蓄積し、これをAIで分析します。形状特徴と過去の不備・手戻り実績との相関を分析することで、加工限界の逸脱や部品間の干渉といった問題が生じやすい設計パターンを予測し、設計者が出図する前の段階で該当箇所と修正方針を提示できる状態を目指します。これにより、検図が最終工程の目視確認に依存する現在の在り方から、設計途中でリスクが可視化され手戻り自体が発生しにくい在り方へと、対象工程の進め方そのものを変革します。

第二に、当社自身の開発・導入業務の変革に同じデータを活用します。これまで案件ごとに個々のエンジニアが顧客と擦り合わせて定めてきた検図ルールや設計ノウハウを、判定条件と適用結果のデータとして一元的に蓄積し、業種・加工方法ごとの共通性を分析します。分析結果から再利用可能な標準ルール群として整備するとともに、案件情報とモデル精度の実績データの関係を分析することで、着手前に必要工数と精度到達の見込みを推定し、見積および要員計画の判断に用います。これにより、個人の経験値に依存した個別開発から、データによって裏づけられた再現性のある開発体制へと転換し、人員規模に制約されない事業拡大を可能にします。

第三に、社内に蓄積した図面・設計文書・技術検証記録を横断的に検索・要約できる設計ナレッジAIの仕組みを、まず当社自身の業務で運用します。エンジニアや営業担当が過去の類似事例と判断根拠を即時に参照できる状態をつくり、そこで得られた利用データと改善知見を、顧客へ提供するナレッジ活用サービスの品質向上に反映させます。

戦略を効果的に進めるための体制

代表取締役CEOの秦竟超がCIO(実務執行総括責任者)を兼務し、DX戦略の策定と推進を自ら指揮します。その下に、技術部門と事業部門の担当者から構成するDX推進チームを置き、図面・3D形状データおよび案件データの標準化とデータ基盤の整備、データ分析に基づく施策の企画、指標に基づく進捗管理とレビューの各役割を明確に分担します。当社はエンジニアが技術検証と事業判断の双方に関与する体制を強みとしており、データ分析の結果を意思決定へ直接反映できるよう、経営層とDX推進チームが定期的に施策の見直しを行います。

人材の育成・確保については、3D幾何解析やAIモデル構築に関する社内の技術知見を文書とデータとして言語化し、社内の設計ナレッジAIを通じて誰もが参照・学習できる状態を整えることで、属人化していた知識を組織の資産へと転換します。あわせて、データの設計・分析・活用に関するスキルを日常業務の中で段階的に習得できる育成方針を定め、Web開発からAI、ハードウェアまで領域を横断して学べる環境と、大学・研究機関や外部専門家との連携、長期インターンシップを通じた継続的な人材の確保・育成に取り組んでまいります。

DX戦略推進の環境整備

DX戦略を支える基盤として、図面・3Dモデル・案件情報・技術検証記録を一元的に蓄積するデータ基盤と、AIモデルの学習・推論を担うクラウド上の計算環境を整備します。蓄積したデータの状態や施策の進捗を経営層が随時把握できるよう分析・可視化の仕組みを併せて導入し、部門をまたいでデータに基づく議論ができる環境を整えます。また、顧客の設計情報を扱う際の要件に応えるため、オンプレミスや閉域環境でも同等の分析機能を提供できる構成を維持します。

当社が取り扱うデータは顧客の設計情報や製造ノウハウを含む極めて機密性の高い情報であることを踏まえ、情報セキュリティポリシーを整備し、アクセス権限の最小化、データの暗号化、操作ログの記録と監視、バックアップおよび復旧手順の整備といった技術的対策を講じます。あわせて、全従業員を対象とした情報セキュリティ教育を定期的に実施し、規程の遵守状況を継続的に点検する運用体制を徹底いたします。

戦略の達成状況に係る指標

当社では、DX戦略の達成度を測る指標を戦略の内容と紐づけて設定し、継続的に進捗を管理します。データ活用による顧客価値の指標としては、AIによる自動検図で検出できる設計不備の網羅率、導入企業における検図・製図工程の工数削減率、出図後の手戻り件数の削減率を設定します。

また、当社自身の変革に関する指標として、構造化して蓄積した図面・3D形状データの件数、データ分析により整備した再利用可能な標準ルールおよびテンプレートの整備件数、案件着手前の工数・精度見込み推定の的中率、案件当たりの開発リードタイム短縮率、社内設計ナレッジAIの利用率を設定します。これらの指標を定期的に確認し、目標との差異を分析してDX戦略の見直しに反映させることで、施策がもたらす事業成果を明確に把握してまいります。

DXを牽引するトップメッセージ

私は、日本のものづくりが持つ最大の価値は、現場で積み上げられてきた設計と加工の知恵そのものにあると考えています。しかしその知恵の多くは、いま個々の技術者の経験の中に閉じたまま失われつつあります。私たちが3DとAIの技術に取り組んでいるのは、その知恵をデータとして受け継ぎ、次の世代がより創造的な仕事に挑めるようにするためです。

この変革は、お客様に技術を提供するだけで成し得るものではありません。私自身が先頭に立ち、当社自らの開発と事業運営をデータに基づくものへと変えながら、ものづくりに情熱を注ぐすべての方が最大限に力を発揮できる未来の実現に貢献してまいります。

代表取締役CEO 秦 竟超

3D & AI Technology to Enhance the Creativity

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