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CAD別AI機能比較|SOLIDWORKS・iCAD・Inventor・CATIA・NXの設計支援AIと自動設計

Updated on2026/08/12

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「AIで設計が変わる」という話は、毎年のように更新されます。しかし設計現場で本当に知りたいのは、抽象的な将来像ではなく「いま自分が使っているCADで、具体的に何ができるのか」ではないでしょうか。

この記事では、機械設計でよく使われる5製品——SOLIDWORKS、iCAD SX、Autodesk Inventor、CATIA、Siemens NX——のAI機能を、各社の公式発表で確認できた範囲に絞って整理します。優劣の判定はせず、何ができて、どういう前提が要るのかを並べます。なお2026年8月時点の公開情報にもとづくため、導入を検討される際は各社の最新リリースノートをご確認ください。

この記事の要点

  • 同じ「AI搭載」でも、AIが触っている対象は3層に分かれます。操作の予測/ナレッジの検索/モデルの生成・編集は、実務上まったく別のものです
  • 提供状態がまちまちです。正式機能もあれば、ベータ版やテクノロジープレビュー、前バージョン由来のものもあります
  • デスクトップ完結とは限りません。プラットフォームへの接続が前提になっている機能があります
  • CAD本体のAI機能は、設計自動化の入口のひとつにすぎません。CADを変えずに自動化する経路は3つあります

CADの「AI機能」とは、具体的に何を指しますか?

各社の発表を並べると、「AI機能」と呼ばれているものは大きく3つの層に分かれます。この分類を持たずに製品を比較すると、話が噛み合いません。

AIが触っているもの やること 代表的な機能名
第1層 操作履歴・UI 次に使うコマンドを予測して提示する コマンド予測、Selection Prediction
第2層 ドキュメント・ナレッジ 自然言語の質問に答え、手順や資料を案内する Design Copilot、バーチャルコンパニオン
第3層 モデルそのもの 形状・アセンブリ・図面を生成し、編集する Generative Experiences、図面の自動生成

第1層:操作を予測して提案する

過去の操作ログや現在の文脈から、次に使う可能性が高いコマンドを表示するものです。日々の操作は速くなりますが、設計判断そのものは変わりません

第2層:ナレッジを検索して答える

「この機能はどう使うのか」を自然言語で聞くと、手順や公式ドキュメントを案内してくれるものです。教育コストに効く一方、モデルは動きません。読んで操作するのは人です。

第3層:モデルそのものを生成・編集する

形状を生成する、アセンブリ構造を作る、図面を起こす。作業量に直接効くのはこの層で、同時に出力の妥当性を誰がどう保証するのかという論点がついて回ります。自動化の進み方については、生成AIで設計業務はどう変わる?機械設計AIの進化タイムラインでも整理しています。

SOLIDWORKSにはどんなAI機能がありますか?

ダッソー・システムズは2025年11月18日(現地時間)にSOLIDWORKS 2026を発表しました(日本での発表は11月25日)。英語版の公式発表では、AI関連として「図面作成と詳細設計を高速化し、締結部品に見える部品を自動認識して組み立てることでアセンブリ作成を効率化する生成AI」と「AI搭載のバーチャルコンパニオン」が挙げられています。

公式ブログWhat's New in SOLIDWORKS 2026 – Design(2025年10月22日)で機能名と内容まで確認できるのは、次の2つです。

  • Automatic Drawing Creation(ベータ):ボタン1つで、ビューと寸法案を配置した図面シートを自動作成する(第3層)
  • Automatic Fastener Recognition and Assembly:ナット・ボルト・ワッシャーに見える部品を締結部品として自動認識し、それに応じて組み立てる(第3層)

ここで押さえておきたいのが、機能がどのバージョンのものかです。締結部品の自動認識は2026で初登場したわけではありません。SOLIDWORKS公式ヘルプにはSmartMates with AI Fastener Recognition(2025 SP3)というページがあり、2025のサービスパックで導入された機能が2026に引き継がれているという経緯です。日本語UIでいう「スマート合致」にあたります。

また、次に使うコマンドを予測して提示する Command Predictor(コマンド予測)は、SOLIDWORKS公式サイトに専用ページがあります。ただし前掲の「What's New in SOLIDWORKS 2026 – Design」には記載がなく、2026の新機能と位置づける公式の記述は確認できませんでした

2026年3月のSOLIDWORKS 2026x FD01でもAI機能が追加されましたが、以下の3つは公式ブログ上でベータ版と明記されています。

  • AIを活用したプロンプトガイドによる図面生成
  • AIを活用したCADモデル上のエラー分析
  • AI搭載アセンブリ構造生成

iCAD SXにはどんなAI機能がありますか?

iCAD株式会社の公式サイト技術ポータルの製品構成を見るかぎり、「AI」という語は製品の訴求に使われていません。前面に出ているのは「約1/50の超軽量データ構造」「300万部品0.2秒の超高速レスポンス」です。

一方で、設計の自動化につながる機能は用意されています製品資料では「3Dモデルから図面を瞬時に作成し、設計変更時は瞬時に3Dの最新状態に図面更新できる」ことに加え、「表面粗さや公差などの製造情報をアセンブリ上にそのまま蓄積していく」と説明されています。製造情報を図面に書き起こすのではなく、3Dモデルの側に持たせるという考え方です。

外部と繋ぐ口も公式に用意されています。製品構成にはオプションとして「ソフトウェア開発キット(自社専用カスタマイズプログラムの開発キット)」——自社専用のアドインを作るための開発キット——があり、外部のツールからiCADのデータを扱う経路が開いています。弊社の自動検図サービス「Hacadly」がiCAD SXを標準対応としているのも、その一例です。ファミリー製品にも構成管理(SOLVEUS)、データ活用(ViDice)、生産準備(Fujitsu デジタル生産準備 VPS)、VR検証(DIPRO Xphere)、構造解析(COLMINA CAE)が並び、ミスミの「meviy」とも連携しています

つまり、CAD本体がAIを訴求していないことと、その環境でAI的な処理を使えないことは別の話です。足りない機能は、アドインや外部サービスとの連携を通じて外側から足すという構図になっています。

Autodesk InventorにはどんなAI機能がありますか?

Inventor 2027では、AIエージェント「Autodesk Assistant」がテクノロジープレビューとして搭載されました(日本での発表は2026年4月21日)。自然言語インターフェースを通じて「モデルの分析、モデル状態の作成、コンポーネントの抑制、パラメータ生成などを直感的に実行可能」とされています。Autodeskの開発者向けブログによれば、Assistantは、編集中のモデルの中身をAIが構造的に読み取れる仕組み(Model Context Protocol)を通じて、実際の形状・構造・プロパティに基づいて応答します。テキストだけを頼りにする汎用AIとの違いです。

あわせて、AIではありませんがiLogic コードブロックが正式機能として追加されました。「スクリプトを書かずに自動化ロジックを構築可能」なもので、AIエージェントがプレビュー段階である現在、実務で効くのはむしろこちらという見方もできます。

CATIAにはどんなAI機能がありますか?

CATIAは、AIをプラットフォーム上のエージェントとして構成している点が特徴的です。ダッソー・システムズは2026年7月28日、CATIA R2026x FD03でIndustrial AIを展開したと発表しました。提供形態は3DEXPERIENCEプラットフォーム(SaaS)上です。

Virtual Companions として3体のAIエージェントが定義されています。

名称 役割
AURA ビジネスエキスパート。企業の知識とノウハウを活用する
LEO エンジニア。機械工学・知識ベース工学・システム工学・要件工学を担当
MARIE サイエンティスト。科学知識を提供する

このうちLEOは「CATIAとSIMULIAツールに直接インターフェースし、モデルを構築する」仮想チームメイトと説明されています。第2層(ナレッジ検索)ではなく、第3層(モデルの生成・編集)に踏み込んでいる位置づけです。同時に提供される Generative Experiences は、テキスト・ドキュメント・図面・スキャンデータを変換して「設計更新、タスク完了などの実行可能な出力を生成」します。

押さえておきたいのは、LEOが physics-based controls(物理ベースの制御) の上に構築され、出力が物理ベースの検証に照らして確認されると明記されている点です。生成した後に「それは作れるのか」を確かめる仕組みをセットで持つ、という考え方です。

Siemens NXにはどんなAI機能がありますか?

シーメンスは2025年7月1日、NXにAIコパイロットを導入したと発表しました。Design Copilot NX は「ユーザーの学習を加速させるための自然言語インターフェース」と説明されており、技術的な質問に対して回答・ベストプラクティス・ドキュメントを検索できます。

シーメンス公式ブログのCopilot解説によれば、できるのは複数ステップのタスクの手順説明、UI内のコマンド位置のハイライト表示、参考資料へのリンク提供、直近のコマンドからの予測的な提案です。記事中の例でも、Copilotは「どう進めればよいか」を案内し、実際の作成操作はユーザーが行っています。つまり現時点では第2層(ナレッジの検索とガイダンス)が中心で、CATIAのLEOがモデル構築に直接インターフェースするのとは性格が異なります。

一方、NXはAI・機械学習を使った機能を以前から個別に積み上げてきています。

  • Topology Optimization:構造解析にもとづき不要な材料を除去する(Convergent Modeling ベース
  • Design Space Explorer:Simcenter HEEDSによる多目的パラメータ最適化。従来は専任者が必要だった検討を設計者が回せる
  • Selection Prediction / Select Similar:形状認識で幾何的に類似した部品を特定する
  • NX Voice Command Assist:音声でコマンドを呼び出し、多階層のメニューを辿る
  • 製造側では、NX X Manufacturing 2606(2026年6月)で AI Machining Suggestion に生成AIによる選択肢が追加されました

「対話型のAIが後から乗った」というより、個別最適化の機能群が先にあり、そこに自然言語の入口が付いたという構図です。

5製品を並べると、どんな違いが見えますか?

◯×ではなく、性格の違いとして読んでください。

AIが触っている層 動作環境の前提 提供状態(2026年8月時点)
SOLIDWORKS 第3層が中心(Command Predictorは第1層) 公式ブログでは明示なし Automatic Drawing Creation はベータ。締結部品認識は2025 SP3 由来。2026x FD01 のAI群もベータ
iCAD SX 公式訴求に「AI」の語なし 自動化機能(3Dからの図面作成・3Dへの製造情報の蓄積)とアドイン開発キットを提供。外側のツールとの連携で補う構図
Inventor 第2層+第3層 Assistantは編集中のモデルを直接読み取る Autodesk Assistantはテクノロジープレビュー(2027)
CATIA 第2層+第3層 3DEXPERIENCEプラットフォーム(SaaS)上 R2026x FD03で展開
NX 第2層が中心+個別の最適化機能 Copilotはドキュメント基盤 Design Copilotは提供済み

この表から読み取れることが3つあります。

「AI搭載」と書かれていても、触っている層が違う

コマンド予測とモデル生成を同じ「AI機能」として数えると、比較になりません。図面作成なのか、新人教育なのか、形状検討なのか。自社が減らしたい工数がどの層にあるのかを先に決めると、カタログの読み方が変わります。

デスクトップ完結とは限らない

CATIAのIndustrial AIは3DEXPERIENCEプラットフォーム(SaaS)上で提供されます。社外にデータを出せない前提の環境では、そもそも使えない機能があるということです。機能一覧を見る前に、その機能がどこで処理されるのかを確認しておくと、後戻りが減ります。

ベータ・プレビュー段階の機能と、前バージョン由来の機能が混ざっている

SOLIDWORKS の Automatic Drawing Creation と 2026x FD01 のAI群はベータ、InventorのAutodesk Assistantはテクノロジープレビューです。逆に締結部品の自動認識は 2025 SP3 由来で、2026の新機能ではありません。「最新版に載っている」と「最新版で追加された」と「今日使える」は、それぞれ別のことです。

CADを変えずにAIで自動化できますか?

できます。そしてこれが、この記事で最も伝えたい点です。

CADの乗り換えは、データ資産・教育・取引先との互換性まで巻き込む大仕事で、AI機能を理由に決断できるものではありません。CADを変えずに自動化する経路は、大きく3つあります。

経路 向いていること 落ちる情報・注意点
中間フォーマット(STEP)で外に出す 形状にもとづく判定・検証。CADを問わず同じ仕組みに載せられる フィーチャー履歴・設計拘束といった「どう作ったか」は落ちる
CADにアドインを組み込む CADの操作そのものの自動化。設計者の作業の流れを変えずに済む CADごとに作り込みが必要。バージョンアップへの追随も要る
CADデータを受け取る外部サービスに渡す 見積・検図など、CADの外にある知識を使う処理 渡せる情報の粒度に依存する

経路1(STEP)は、主要な3D CADがいずれも対応しています。STEP AP242はAP203とAP214を統合した規格で、PMI(製品製造情報)やMBDにも対応します。ただし変換の粒度はCAD・バージョン・出力オプションで変わり、「STEPにすれば情報がそのまま保たれる」わけではありません。逆に言えば、干渉・距離・板厚・加工限界のような形状として確定した事実だけを見る処理なら、CADを問わず扱えます。

経路2(アドイン)は、CADの中に機能を組み込むやり方です。InventorのiLogicコードブロックやiCAD SXの開発キットのように、AI機能の有無とは関係なく前から用意されています。設計者がCADを離れずに済むのが利点ですが、CADごとに作り込みが必要で、バージョンアップへの追随も続きます。

経路3(外部サービス)の実例が、ミスミの機械部品調達AIプラットフォーム「meviy」です。SOLIDWORKS・iCAD SX・Inventor のデータを受け付け、3Dデータから自動見積を返します。2026年3月には、iCAD SXで設定した寸法公差情報を自動連携する機能も追加されました。渡せるものが形状から製造情報へ広がっている、という点は見ておく価値があります。

見積・検図・加工可否のように、判定に必要な知識がCADの外にある処理は、この経路が向いています。そしてCAD本体にAI機能があるかどうかは、この経路の前提条件ではありません

WOGOがこの3経路で提供しているもの

WOGOは、この3つの経路を使ってCADを乗り換えずに設計業務を自動化するためのサービスを提供しています。対象はCADそのものではなく、検図・製図・設計・図面検索といった設計者の作業です。

やりたいこと WOGOのサービス 主に使う経路 できること
3Dモデルを自社の設計ルール・加工条件で自動チェックしたい 自動検図・設計検証 経路2+経路1 板金・切削などの単品部品の加工限界チェックから、アセンブリの干渉・組み立て性の検証まで。部署別・サプライヤー別のルールセット管理に対応
3Dモデルから2D図面を自動で起こしたい(図面バラシ) 2D製図・CAD設計自動化 経路2 ビュー配置・寸法・注記・表題欄まで出図工程を自動化。各社の製図標準をルールとして組み込める
仕様や設計条件から3Dモデルを自動設計したい 2D製図・CAD設計自動化(3Dパラメトリック自動設計) 経路2 自社の設計ルールとノウハウを事前に組み込み、入力条件に応じた設計データを出力する
2D図面しかない資産を3Dモデルにしたい 2D→3Dの自動生成(S-Trandim) 経路3 組図の複数方向の2D図面を形状解析し、外形形状の3Dモデルを自動生成。生成後の手動編集にも対応
過去図面や設計文書を探す時間を減らしたい 図面・設計ナレッジAI 経路3 2D図面・3D CADからのAI類似図面検索と、設計基準書・技術文書を横断する設計AI基盤。オンプレミス対応
上のどれにも当てはまらない自社固有の自動化をしたい 技術共創 個別 3Dデータ解析・3Dデータ編集・3Dスキャン・AIデータ基盤構築を組み合わせた個別システムの共同開発

いずれも標準対応はiCAD SXとSOLIDWORKSで、その他のCADや独自環境にも対応できます。設計者は普段のCAD環境のまま使え、機密性の高い設計データを外部に出さないオンプレミス運用にも対応しています。

逆に言えば、いま使っているCADにAI機能が載っていなくても、検図・製図・設計・図面検索のどれから自動化するかは自社で選べます。どこから手を付けるべきかが決まっていない段階でのご相談も承っています。

自社の設計基準をAIに判定させることはできますか?

ここが、各社のAI機能を並べたときに浮かび上がる空白地帯です。本記事で見てきた機能は、いずれも一般的な設計支援です。「この形状は、うちの取引先の設備で作れるのか」という判定は、少なくとも公開情報の範囲では確認できませんでした。

この判定に必要なのは、汎用の知識ではなく、自社が積み上げてきたルールです。曲げ線から穴までの距離をいくつ以上に取るのか。その距離をどこから測るのか。これらは加工先の設備・金型・材質によって変わり、自社と取引先の間でしか決まりません

曲げ終端線から穴までの距離aを示した板金部品の3Dモデル
曲げ終端線から穴までの距離 a。この距離を「どこから」測るかは、社内標準を作るときに最初に決まらない論点です
穴と端面・穴同士の距離aを示した板金部品の3Dモデル
穴と端面、穴同士の距離 a。近すぎると打ち抜きのときに材料が逃げ、穴が歪みます

(図はWOGOが3Dモデルの自動検図で実際に使っている検査項目の図解から抜粋したものです)

こうしたルールを判定条件にするには、ルールをCADの外に置き、3Dモデルに当てる仕組みが必要です。ルールが外にあれば、部署ごと・取引先ごとに切り替えられ、CADが変わってもルール資産は残ります。何を自動判定に寄せ、何を人が見るのかという分担は、AI検図とは?製造業の検図を自動化し、設計ミスと検図工数を減らす仕組みで詳しく整理しています。

WOGOの自動検図(設計検証)サービス「Hacadly(ハカドリー)」は、3Dモデルに対して自社の設計ルールを自動で当てる仕組みです。標準対応はiCAD SXとSOLIDWORKSで、CATIA・NX・Creo・Solid Edge・Autodesk Inventor・Fusion 360など幅広いCADにも対応できます。部署別・サプライヤー別のルールセット管理や、オンプレミス環境での運用にも対応しています。導入やPoCのご相談はお問い合わせから承っています。

結局、どのCADを選べばよいですか?

AI機能の有無を軸にCADを選ぶのは、おすすめしません。乗り換えコストが割に合わないうえ、機能そのものが毎年動くからです。本記事で整理した内容も来年には書き換わっているはずで、今年の比較表で選んだ答えが来年も最適である保証はありません。

代わりに見るべき軸は、より動きにくいところにあります。

  • データを外に出せるか:STEP形式での書き出しやアドインで、CADの外にある仕組みと繋げられるか
  • 自社のルールを判定条件として持ち込めるか:汎用の設計支援ではなく、自社基準での判定ができるか
  • 運用環境の制約と合うか:クラウド接続が前提の機能は、自社のセキュリティ要件で使えるか

そして比較よりも先に決めるべきは、いまどこで手戻りが起きているのかです。発生箇所が分からなければ、どの層のAIが効くのかも決まりません。この構造は製造業の設計現場で起きる「手戻りコスト」と3D/2D検図の論点で整理しています。

CADのAI機能に関するよくある質問

AI機能を使うために、最新バージョンへのアップグレードは必須ですか?

必ずしもそうとは限りません。SOLIDWORKSの締結部品認識のように、ひとつ前のバージョンのサービスパックで導入され、最新版に引き継がれている機能もあります。バージョン番号だけでなく、サービスパックとライセンス構成をあわせて確認することをおすすめします。

ベータ版やテクノロジープレビューの機能は、業務で使ってよいのですか?

各社が提供状態を明示しているのは、仕様変更や提供終了の可能性があるためです。業務プロセスに組み込む前提では扱わず、評価目的で試すのが現実的です。

オンプレミス環境でもCADのAI機能は使えますか?

機能によります。クラウド/プラットフォーム接続を前提とする機能は、社外にデータを出せない環境では利用できません。機能一覧より先に、その機能がどこで処理されるのかを確認してください。

AI機能がないCADを使っていると、設計自動化で不利になりますか?

必ずしもそうとは言えません。CADデータを外部のAIサービスに渡す経路は実際に動いており、CAD本体のAI機能は自動化の入口のひとつにすぎません。

生成AIが作ったモデルは、そのまま製造に流せますか?

出力の妥当性を確認する工程は依然として必要です。CATIAが物理ベースの制御と検証を組み込んでいるように、生成と検証はセットで考えるのが各社の方向性です。

まとめ

同じ「AI搭載」でも、触っている層が違います。操作の予測、ナレッジの検索、モデルの生成・編集は実務上まったく別のもので、自社が減らしたい工数がどの層にあるのかを先に決めると、カタログの読み方が変わります。あわせて提供状態と動作環境の前提もご確認ください。

CAD本体のAI機能は、設計自動化の入口のひとつにすぎません。中間フォーマット、アドイン、外部サービスとの連携という3つの経路があり、CADを変えずに自動化を進められます。

各社のAIが埋めていないのは、「自社と取引先の間でしか決まらないルールで判定する」領域です。ここは汎用の設計支援では代替できず、ルールをCADの外に持つ仕組みが必要になります。

自社の設計基準を3Dモデルから自動で判定する仕組みにご関心のある方は、資料請求またはお問い合わせからご連絡ください。

本記事は、3D・CAD・AI技術を活用し、製造業における設計検証・自動検図・設計/製図自動化のシステム開発に取り組む、東大発スタートアップの株式会社WOGOが執筆しました。

本記事に記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。SOLIDWORKSおよびCATIAはDassault Systèmes S.E.またはその子会社、Autodesk・InventorはAutodesk, Inc.、NXはSiemens Industry Software Inc.、iCAD SXはiCAD株式会社の商標です。本記事は各社の公開情報にもとづく解説であり、各社との提携・推奨関係を示すものではありません。

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